脂質異常症(⾼コレステロール⾎症・⾼中性脂肪⾎症)

脂質異常症診断基準

脂質異常症の治療⽬的

⼼臓冠動脈疾患、脳梗塞、⼀過性脳虚⾎発作、末梢動脈疾患などを予防すること。
脂質異常症の管理⽬標としては、動脈硬化学会が提供している久⼭町スコアに基づくアプリを使⽤します。
冠動脈疾患や⾎栓性脳梗塞の既往がなければ、3〜6か⽉の⽣活習慣改善が原則です。⼤事なのはLDL-Cの値です。

LDL-C
  • LDLコレステロールは、冠動脈疾患と正の相関がある
  • LDLコレステロール40mg/dL低下で、総死亡率が12 %低下する

脂質異常症の管理

脂質異常症の治療

治療の原則として、LDLコレステロール管理⽬標の達成が望まれます。
LDLコレステロールを低下させる薬のうち、第⼀選択はスタチン系薬となります。
現在使⽤可能なスタチンには、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチンのストロングスタチンと、アトルバスタチン、ピタバスタチン、
ロスバスタチンのスタンダードスタチンがあります。活動性の肝疾患やご妊娠されている⽅への投与はできません。
副作⽤としてこむら返りや筋障害、肝障害があり、重篤なものとしては横紋筋融解症や筋脱⼒があります。

筋症状は⽐較的よく認められ、副作⽤でスタチンを内服できないことを「スタチン不耐症」といいます。そのような際には、
スタチン不耐に関する診療指針に沿って対応します。
スタチン単独で効果が不⼗分である場合は、増量もしくは他剤の追加を考慮します。⼩腸トランスポーター阻害薬(エゼチミブ)
はLDLコレステロールを17 %改善できると報告があります。

⾼中性脂肪⾎症

中性脂肪値(TG値)が500 mg/dL以上の場合は「急性膵炎」の発症リスクがあり、⾷事指導とともに薬物療法を考慮します。
アルコール、炭⽔化物、お菓⼦、⾁類を控え、治療薬はフィブラート系薬(ベザフィブラート、 フェノフィブラート)または、選択的PPARαモジュレーターであるペマフィブラート(パルモディア)を服⽤します。腎機能の低下がある場合には、フィブラート系薬物を内服できないため、ペマフィブラートが選択されます。

戻る

● その他の生活習慣病について知る